新聞掲載記事平成30年11月

男性の育児休業

Q. 現在、妻が妊娠中です。子どもが生まれたら、私も育児休業を取りたいと思っています。父親の育児休業には特例があると聞いたのですが、どんな制度なのでしょうか。

A. 育児休業は原則、男女を問わず子が1歳に達する日(誕生日の前日)までの間で取得することができます。父親の育児休業の特例ですが、大きく分けて2つあります。  まず1つめは、育児休業を2回取ることができる特例です。本来、育児休業の取得できる回数は特別な事情がない限り1人の子(双子以上であっても1子と取扱います)につき1回で、連続した期間です。しかし、父親が子の出産後8週間以内の期間内に育児休業を開始し、かつ終了している場合は特別な事情がなくても、その後、2回目の休業を取得することができます。この特例は、母親が専業主婦でもあっても該当します。

2つめは、父親と母親が共に育児休業を取得する場合の「パパ・ママ育休プラス」という制度です。前述したとおり、育児休業は子が1歳に達する日(誕生日の前日)までの間で取得することができるのですが、父親と母親が共に育児休業を取得する場合は、特別な事情がなくとも、子が1歳2か月に達するまでの間に、父母それぞれが1年間の期間内で、育児休業を取得することができます。この特例を使うには要件が3つあります。①配偶者が子が1歳に達するまでに育児休業を取得していること。②本人の育児休業開始予定日が子の1歳の誕生日以前であること。③本人の育児休業開始予定日が配偶者の育児休業の初日以降であること。この3つの要件に該当すれば、父母が交代で切れ目なく休業を取得したり、父母の育児休業の期間を重複して取得することも可能です。もちろん、父親が2回にわたって育児休業を取得できる特例と、この「パパ・ママ育休プラス」の特例を一緒に使うこともできます。その場合、父親の育児休業の特例である、1回目と2回目の休業期間の合計は1年間の期間内となります。

育児休業中の収入は、会社から賃金が支払われない場合、男性も育児休業給付金の申請をすれば休業前の賃金の67%~50%が支給され、父母が重複した期間、育児休業を取得していれば、その期間は父母ともに給付金が支給されます。給付金は非課税ですので所得税はかかりませんし、休業する期間によっては社会保険料は会社と本人負担分が免除になります。雇用保険料に関しては、賃金の支払いがなければそもそも発生はしません。

育児休業を取得するには原則1カ月前までに申出が必要になりますので、介護や傷病での休業とは違い、会社も事前に計画し準備することができます。ご夫婦で育児休業の取り方を決め、産後の大切な時期を過ごして下さい。

みくに労務管理事務所

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