新聞掲載記事平成26年2月

給与明細について

Q. 先日、就職指導の先生に「就職したら給与の明細はずーっととっておくように」と言われました。そんな面倒なことはしたくないのですが、どうして保存する必要があるのですか?

あなたは卒業後の就職先が決まったのですネ。おめでとうございます。
いよいよ社会人の仲間入りの日が近づいてきました。
ところで、採用時には会社から雇用契約書が交付されて働く条件が確定します。給与というのはそのような労働契約に従って「労働の対価」として支払われるものです。
あなたがコンビニで買い物をした時にレシートをもらいますね、そのレシートは買い物の内訳を表しています。それと同じように給与明細はあなたの働きの内訳と実績を表しています。この給与明細は3つの部分から成り立っています。まず最初の、勤怠欄には、出勤日数や有給休暇の取得、残業時間数、2番目に総支給額と内訳、3番目には所得税や社会保険料などの控除額と差引支給額(手取り額)が表示されます。会社によって多少のスタイルに変化があっても中身は共通しています。会社には各人に支払った給与を記録した賃金台帳や出勤簿、労働者名簿など、労働関係に関する重要な書類は3年間保存しなければならないと義務付けられています。
こうした記録が必要になるのは、労働保険料や社会保険料の算定をする時、病気やケガで休業中の補償を請求する時、失業時に雇用保険の申請をする時等々、一定期間の給与額を確認する必要がある時などです。
それからたまには最低賃金の確認をしたり残業時間や有給休暇の確認をして見る必要があるかもしれません。多くの会社は銀行振込により給与の支払を行っていますが、最近は出勤管理もパソコンで行い給与明細も各人のパソコンに送信される会社もあります。
職場には何かと厳しいルールがあるものです。就業規則に従う義務がありますし自分の担当職務だけ守っていればいいというものでもありません。
より良い職業生活を送られるよう期待しています。

みくに労務管理事務所 社会保険労務士 峯岸祥子

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