新聞掲載記事平成24年3月

大学生の国民年金保険料の支払いについて

Q. 今年20歳になる息子が大学に通っています。本人が国民年金の保険料を支払うのは厳しいと言っているのですが、どのように対処すればいいでしょうか?

現在の国民年金の保険料は月額15,020円です。学生のバイト代金などから支払うには少なくない金額です。また、両親が支払うにしても、生活費や学費でただでさえ支出が多い時期ですから負担になるでしょう。
とはいえ、20歳になれば国民年金の被保険者となり、保険料の納付が義務付けられます。払えないからと言ってそのままにしていると、将来年金がもらえなくなるというだけではすみません。もし、未納期間中に事故や病気により重い障害が残った場合、障害年金が受けられなくなってしまいます。
そこで、学生に活用してほしいのが「学生納付特例制度」です。こちらの制度は他の免除制度と違い、本人の所得のみで審査を行います。具体的には本人の所得が「118万円+扶養親族の数x38万円以下」であれば対象となります。
アルバイトをしているだけの学生であれば、ほとんど対象になるでしょう。
申請の方法は通っている学校によってかわります。学生納付特例事務法人に指定を受けている学校であれば、学校の窓口で対応してもらえます。それ以外の学校に通っている場合は、申請用紙に年金手帳と学生である事を証明する書類等を添付して、住民登録をしている市町村役場に提出してください。申請用紙は日本年金機構のホームページからダウンロードすることができます。なお、この手続きは毎年必要となります。
この制度を活用すると納付は猶予され保険料が0円となりますが、障害基礎年金や遺族基礎年金の受給資格期間には入ります。また、老齢基礎年金については、将来の年金額には反映されませんが、年金をもらうために必要な受給資格期間には入ります。なお、猶予を受けていた期間は、10年以内であれば納付できるので、就職してから将来の年金額を増やすことも可能です。
うっかりしてしまいがちな学生の免除申請ですが、未納のままにしておくと様々なデメリットがありますので、毎年忘れずに申請をするようにしましょう。

みくに労務管理事務所 社会保険労務士 竹田 正和

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